「五臓六腑に染み渡る〜!」
ビールを飲んだ時に言うアレです。でも、具体的に体のどこに染み渡っているか知っていますか?

「肝臓とか胃袋のことでしょ?」

半分正解ですが、漢方の「臓器」は西洋医学の臓器とは少し違います。
それは、ただの肉の塊ではなく、「役割分担されたチーム(機能)」のことなんです。

情報量が多いので、今回はまずリーダー格である「五臓(ごぞう)」についてお話しします。

1. 「臓(ぞう)」と「腑(ふ)」の違い

そもそも、なぜ2種類あるのでしょう?
博士いわく、役割が真逆なんだそうです。

五臓

肝・心・脾・肺・腎

今回の主役

大切なエネルギー(気血)を
しまっておく金庫。

六腑

胃・腸・膀胱など

次回解説

食べ物を消化して
通していくパイプライン。

五臓は「王様や大臣(中身が詰まっている)」、六腑は「役人や現場(中空で動かす)」というイメージです。
今日はまず、この国のリーダーである「五臓」について詳しく見ていきましょう。

2. 五臓は「会社組織」だと思え

特に重要な「五臓」の働きは、会社に例えると一発でわかります。
誰か一人でもサボると、会社(体)は倒産(病気)します。

五臓の役割分担
▲ 体内株式会社の個性豊かな役員たち(漢字入り)

🌲 肝(かん)

将軍・司令塔

血を貯蔵し、気や血の巡りをコントロールする。
ストレスに弱く、ここが乱れるとイライラしたり情緒不安定になる。

🔥 心(しん)

社長・君主

血液をポンプのように送り出し、精神(こころ)を宿す場所。
ここが弱ると、不眠や不安感、動悸が出る。

⛰️ 脾(ひ)

工場長・消化担当

食べ物をエネルギー(気血)に変える製造工場。
思い悩みすぎると胃が痛くなるのは、脾がダメージを受けるから。

⚔️ 肺(はい)

防衛大臣・空調管理

呼吸を行い、気を全身に巡らせる。皮膚バリア機能も担当。
ここが弱ると風邪を引きやすくなったり、肌が乾燥する。

🌊 腎(じん)

生命力の貯蔵庫

生まれ持ったエネルギーを蓄え、老化や発育を司る。
「腎虚(じんきょ)」=老化。白髪や足腰の弱りはここの衰え。

3. まとまりのないチームは弱い

どうじゃ?
お主の体の中では、この5人の部長たちが毎日24時間、文句も言わずに働いてくれておるんじゃ。
「心(社長)」ばかり酷使して、「脾(工場長)」に飯も食わせずに働かせたら、そりゃストライキ(病気)も起きるじゃろう?

まとめ

体をいたわることは、
ブラック企業の経営
見直すことと同じ。

さて、ここで疑問が湧きませんか?
「じゃあ、食べたものはどこを通っていくの?」と。

次回、後編は「六腑(ろっぷ)」について。
あなたの体の中を通る「パイプライン」の秘密に迫ります。お楽しみに!